ラブリー・トライアングル
圭がキッチンで洗い物をしている間、ユキはすぐ隣に立って、じっと圭を見つめ続けていた。

ときどき圭がユキに視線を向けると、ユキは嬉しそうに目を細め、そっと頬を寄せる。


そんな仲睦ましい二人の様子を横目で見てはじりじりしながらも、私は洗濯物をたたんでいるのだ。

うう、悔しい!

れっきとした彼女である私に、他の女とのラブラブな姿を見せつけるなんて、圭ってばひどい。


圭は洗い物を終えると、ひょっこりと顔をだして私に訊ねてきた。


「ミカ、お風呂、先に入る?」

「えーと、まだ中途半端だから、圭、先に入って」

「あ、洗濯物か。いつもありがとね」

「こちらこそ、洗い物ありがと」


圭が私の大好きな笑顔で頷いた。

ああ、やっぱり大好き。


圭がお風呂に向かうと、ユキはちょこちょこと後をついていった。

そして、お風呂の扉の前に座り込んで、圭があがってくるのをじっと待っている。

悔しくなって、私も同じようにユキのとなりにしゃがみこんだ。

するとユキが、甘えるように顔を寄せてくる。


………か、かわいい。

くそう、かわいいぞ。

ユキめ、小悪魔だな!


私はユキの頭を撫でながら、圭がシャワーを浴びる音を聞いていた。



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