偽物ラブレター


トントンしてると、それの意味がわかったみたいでみるみる頬を赤く染める。



もじもじしてて全然座ろうとしなくて痺れを切らした。



杏樹の脇に手を入れて、俺の脚の間に座らせた。



「ちょっ、ちょっと竜志くん……!?」



耳まで赤くなる。

可愛いなー、こんな姿を見ると誰にも渡したくなくなる。



杏樹を後ろから抱きつく。

ビクンと跳びはねた肩。


髪の毛から香るシャンプーの匂いは、女の子らしい匂いではなくてほんの少し女性を感じる匂い。


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