偽物ラブレター
「……」
「……」
なんも言ってこない。。
だからって、脈なしなわけじゃない。
顔全体が真っ赤だ。
そんな杏樹は今必死に考えてるんだろう。
「……お前、その顔反則。」
そう言うと、ゆっくりと振り向いてきた。
その拍子に、俺の唇と杏樹の唇が重なった。
さっきよりも熱を帯びる顔はもっと赤くなった。
ごめん、と言って唇を離す杏樹の顎を抑えて再び重ねた。
これは、杏樹にとってのファーストキス。
それは俺のものだ。