偽物ラブレター



細い唇からは少し血が出ていて、鉄の味がした。



『なにするんですか!』



そして、怪我を負った彼を突き放した。




『いってーなっ!わざとじゃねんだから、これはカウントしねんだよ!』



そう言った彼の顔はほんのり赤くなってたのに気づいたのは、私が冷静になってからのことだった。




その彼がそばにいることを知らずに……





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