偽物ラブレター



「黙ってないで何か言いなさいよ!」





……怖い、この人怖いよ。


この状況じゃ、助けを呼ぶこともできない。



「わっ、私は大地のことが……すっ好きです!大地が私のこと嫌いだとしても好きなんです。」




ここは頑張れ私!



パチン……!

甲高い音が響いた。


また叩かれた。

なんで、答えたのに叩かれないといけないの?



「許さない!あんたなんか大地と似合うわけないじゃない!迷惑がってるわよ!」




迷惑……?
大地にとって私は迷惑だったの?



「私は松下 朱音。大地の大切な人よ!」




『松下 朱音』……って、大地を裏切った女じゃない!?


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