偽物ラブレター


私強くなるからね?


大地に似合う女の子になってみせるから!




髪を切り学校に戻ったのは、昼頃だった。



教室に着くとみんなが一斉に私のことを見てきた。


「杏樹、どうしたの?その髪!」


恵子は慌てて近寄ってきた。



「なんでもないよ、髪が邪魔だったから学校抜け出して髪切りに行ってたーー」



誤魔化すかのように乾き笑をした。


でも、恵子には何もかも見透かされてるみたいで怖いよ。



「杏樹から言ってくれるの待ってるからね。」



……ごめんね。



今言っても反対されるのは目に見えてる。


< 224 / 269 >

この作品をシェア

pagetop