偽物ラブレター
下駄箱に手をかけ開けると、一瞬止まった。
「……なにこれ、上履きの上に手紙が置いてあるんだけど。」
「誰から?」
「……柊」
「……柊」と言った大地の顔は曇っていた。
手に持ってた手紙は、他の人の下駄箱の中に入れた。
「柊は俺なんかより山峰のことで頭がいっぱいなんだからさ……」
さっきから柊って呼んでる。
私の気持ちは届かないの?
それとも、受け止めてくれないってこと?
だからって、他の人の下駄箱に入れなくてもいいじゃん!
私の前に大地が近づいてきた。
隠れてたところから身を出した私の顔をみて驚いた。