偽物ラブレター



「……うっせ!」



言葉は怖いけど、顔を見れば全然そうは思わない。



「そんなこと言うとキスすんぞ!」


「えっ……!?」



熱が上がるのがわかる。


さっきと逆になって、意地悪な顔で私を見てくる。


この顔には勝てないことを知ってる。



「……してくれるの?」


もう大地にはされてるんだから、別にもうなんとも思わない……わけがない!




チュッ



リップ音をたてての軽めのキス。
何度もなんどもそれが繰り返される。




それだけなのに胸がドキドキと高鳴る。



やっと離されたと思ったら、大地は切なげに笑って口を開いた。
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