偽物ラブレター



「……それじゃ、行ってくるなっ!」



そう言って、軽く唇を重ねて電車に乗っていった。




「……不意打ち。」




私の発した言葉は電車のドアが閉まる音によってかき消された。





ガタン……ゴトン……






電車が完全に音も聞こえなくなり、見えなくなった。

すると目元に入れてた力が抜け一気に涙が溢れ出した。




大地……、大地……好きだからね!




大地はおばあちゃんの家がある富山県の方に引っ越した。



大地のことを心配しておばあちゃんが預かることになったみたい。

おばあちゃんっ子だったみたいで、悩みながらそれを決めたみたい。


私はそれを応援するだけ。。
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