偽物ラブレター


苗字で呼ばれたのが少しショックだった。


竜志くんとは赤の他人の役。


学校で話すなんて初めて……



それが嬉しかった。



「はい、すっ、すいません。私ちょっと先生に用があるので……」


そう言うと恵子の手を引っ張って去ろうとした時、片方の腕を掴まれた。



「杏樹ちゃんのメアド教えてくれない?」


初めて男子にメアド聞かれた。。

嬉しいけど、竜志くん以外にもらっちゃっていいのかな?


「柊さん、先生に用あるなら急いだ方がいいんじゃない?」



村田くんから私の腕を解放させてくれた。
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