いと、ゆかし




「先輩」


呟いてみれば、はた、とその動きが止まった。

そして何を思ったのか、ずんずんすべり台を上ってきた。


あれ、目、回らないのかな。


いたって平然とした顔をしている先輩を不思議に思って、首を傾げていると


「……ん」

「え」


ぐいっと腕を引っ張られた。

それに導かれるように、すーっとすべり台を滑る。



「どうしたんですかー」

「どうしたんですかー」

「目回らないんですかー」

「目回らないんですかー」



また、オウム返し。




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