いと、ゆかし
もちろん無反応。
いまだくるくる楽しそうに回り続けている先輩の視野に、私はないのだろう。
先輩。
私は先輩と過ごすこの時間がとても幸せで、楽しいです。
先輩はどうですか。
そう聞いてみたい。
先輩の目に、この世界はどう写っているんだろうか。
私は、その世界の一部として認識されているのかな。
「先輩」
「……」
「あっくん先輩」
「……」
「私は先輩の彼女になれますか」
遠心力で、くまのキャラクターのポシェットが浮いていた。
細くてさらさらの髪は、向こうに見える夕日に照らされて透けていた。
こんなに好きなんだけど、な。
私はどうしたらいいんだろう。