いと、ゆかし
結局、彼女がいるとかいないとか。
そんな答えを求めてるわけじゃないんだ、私は。
ただ、いつまでも先輩とこうやって笑ってられたらいいな、って。
それだけなんです。
「先輩、私ね、高校生になってから、ちゃんと授業受けてるんですよ」
「……」
「すごいでしょ、頑張ってるでしょ」
「頑張ってる」
「ね」
私の家の近所のこの公園。
同じ中学校だった先輩と、初めてここで話したのは、たしか夏休み明けぐらいだったと思う。
ずっと先輩がこの公園にいるのは知ってたけど、声をかけてみたのは、そのときだ。
「先輩」
「……」
「先輩」
「……」
「好きです、先輩」