いいよ。の返事
夏休み前、最後の登校日。


幼なじみと学校の帰り道たまたま会った。


中学校は自分の家の裏で帰るのに五分もかからない。


ほんの三分ほどの距離を七分かけてゆっくりと二人で歩いた。


内容なんて全然ありもしない。


彼女の家の前に着いた。


やっぱり大きい家だなと隣にあるちっぽけな自分の家を蔑みながら見た。


「じゃあ。」


幼なじみに家へ入るよう促した。


しかしなかなか入る様子がない。


僕を見送ってるのかなと幼なじみに背を向けた。


「あ、ちょっとまって。」


幼なじみに呼び止められ、振り返る。


「どうせお母さんいなくてカップラーメンなんでしょ。

うち寄ってかない?」


< 2 / 14 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop