青空の下月夜に舞う 4
ロッカーや、休憩室を軽く掃除をして、暫くすると20分なんてあっという間で。


外に出ると冷たい風が頬を刺す。
まだ11月なのに寒いな。

来月はもっとなのかな。

空を見上げると、生憎の曇り空で星は見えない。


裏から正面に回ると、田中医院の前に黒い車が。
私が店の前に立ったのとほぼ同時ぐらいにドアが開いて、見知った姿が現れる。


「麻衣、お疲れ様」

「ありがと」

「こっから場所遠い?」

「ううん。パン屋の裏だよ」


雄大にそう伝えると、車に向かって手を振る。
すると静かに動き出したのを見て、距離があるなら送ってくれるんだったのかなと思った。
< 11 / 144 >

この作品をシェア

pagetop