青空の下月夜に舞う 4
ベージュのパンツにグレーのロンTの上には紺色のジャケットを羽織っていて。

何だかいつもよりカチッとしてないか?


いつもパーカーにデニムだったりするのに。

私が不思議に思ったのを感じたのか、


「バイト先に挨拶するみたいなもんだろ?友達のジャケット借りてきた」


笑って口にする雄大。

こんな風にしてたら、普通に優しいお兄さんに見えるんだろうな。



裏の店長の家に行くには回らなければ行けなくて、雄大と並んで歩きながらする会話は、何の違和感もなかった。

店長の家の前に立った時、「俺変じゃない?」と聞く姿に「大丈夫」と。

ちょっとだけ時間が巻き戻った様な気になる。
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