青空の下月夜に舞う 4

スマホを耳にあて、数秒。


静まり返る室内には、電話越しの声が僅かに聞こえてくる。

だけど、何かまでは分からなくて。


雄大を見つめるしかない私は、そのまま体が固まっていると。


「ごちゃごちゃうるせえよ。てめえ、殺すぞ」



言い放った雄大は、スマホから耳を離し……通話を切った。


私の前を通り過ぎた雄大は、また先程の位置に腰を下ろす。

え……大丈夫なの……?


そう思っていた所で、


「座らないの?話すんでしょ」

「うん……」


睨んでいた顔が一変。

いつもの笑みを浮かべた雄大。



話すって。雄大もその姿勢になってくれるなら、今しかない。

雄大の斜め前に座ると、少しの恐怖心から、ちょっとだけ間を空けた。
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