青空の下月夜に舞う 4




「知恵さんから麻衣を守りたくて空手を習った」





こんな雄大は見たことがなくて。







「麻衣の笑顔が見たくて必死でお前の涙を拭いた」



お母さんから辛いことを言われ、泣いた夜はずっと側にいてくれた事を思い出す。






「いつも麻衣は弱かった俺を守ってくれた。俺のヒーローがヒロインになるのは必然だった」






涙はこぼれない。
だけど雄大の瞳を照らす電機の灯りがキラキラと、涙の存在を主張させる。




「麻衣を傷付けてばかりいるあんな女。大嫌いだ。壊れればいいんだよ」



雄大が卒業したあの日。
言った言葉は、私を縛り付けるための作戦なんかじゃなく、雄大の本心だったんだ。



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