青空の下月夜に舞う 4

「あ、でもすぐに上原とくっつくのは少し嫌かも」


どうして。
雄大は笑えるんだろう。

戻りたかった雰囲気を、たった今手に入れた筈なのに、こんなにも胸が切ない。


一番近くに居た雄大が、急に遠くなった気がして。
正直……手を伸ばしたくなるけどそれはいけないことだ。


これこそ究極のわがままバカ女。


「今頃扉蹴破ろうか考えてんじゃない?ま、喧嘩なら負けないけどね」


二本目のタバコに火を付けて煙を吐き出す雄大は、もう私を見ていなくて。

フィルター近くまで吸ったタバコを揉み消すと、すくっと立ち上がる。



「よし」



一言だけ。


雄大の足は玄関に向かって……





「元気で、な。沢山傷付けてごめん」





もう、いいよとは口に出来なかった。
それぐらい、喉が熱くて喋ることが不可能。




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