青空の下月夜に舞う 4

雄大の背中を追ってきた足は、一生懸命玄関で踏ん張っていて。

そんな私の姿を見て、雄大は鼻で笑う。


「もし……何かあったら、」

「ん……?」


言葉を途中で切った雄大に、頑張って返事をする。


すると、ハッと自嘲的に笑った雄大は




「何でもない。……じゃあ、な」




鍵を開けて、扉から外に出ると。

扉の向こうで振り返ることはなく。

雄大の靴音が段々遠ざかっていくのが、玄関からでもわかって……



暫くすると、複数の靴の音が聞こえてきて玄関の扉が勢いよく開いた。


「麻衣!大丈夫だっ、……おい!」

「……っ、」

「何かされたのか?!」


首を横に振ると、私の肩を掴んだ祐也が不安気に私の瞳を覗く。
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