青空の下月夜に舞う 4
店長が慌てた様に話す仕草に、気を使わせてしまって、逆に申し訳なくて。

「いえ、私こそすみません。暗い顔してましたよね……いや、元々辛気くさい顔つきなんですが」

「麻衣ちゃんったら!何言ってるの!」


店長の奥さんが高らかに笑うと、その場の空気も和んで、再び皆の箸も動き出す。


談笑をしながら、食べ進めると半分ぐらいの量が減ったぐらいで、お腹の具合が限界間近に。


「美味しくて食べすぎてしまいますね」

「ま!雄大くんモテるでしょう?」

「あはははは」

「その笑いは肯定の意味だな?」


雄大も和やかな雰囲気にすっかり溶け込んで、にこやかに箸が進んでいる。


正直凄いなぁと思う。
店長達は、元々柔らかい雰囲気だから話しやすい人のカテゴリーに入るけど、私だったら出会って一時間でこんな風に人の笑顔は引き出せない。
< 15 / 144 >

この作品をシェア

pagetop