青空の下月夜に舞う 4
囁きに耳を

次の日から。

またみんなが私を見る目が変わった。


携帯も友達も居ない私は、情報を得る手段がなく。

一日を過ごしている内に、



「裏切り者」



トイレの帰りに、誰かがすれ違い様呟かれ、昨日雄大と居たのを誰かに見られていたんだろうと推測した。


帰り際、さゆりさんが遠目に見えて。
ハッとした時には遅く、視線が絡んだ。


難しそうな顔をしたさゆりさんに、軽く頭を下げると、こちらに来ることはなく。

体育祭の時、さゆりさんと話せた事が本当に良かったと思った。



きっと学校に居るときの唯一の心の支えになるだろう。


その日から周りでぼそぼそと言われることはあっても、直接何かされたりすることはなく。

季節は駆け足で過ぎていった。
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