青空の下月夜に舞う 4
「麻衣ちゃん髪伸びたねえ」
不意に話しかけてきたのは、パン屋の店長。
「すみません、切った方がやっぱりいいですかね?」
不衛生に見えるかな。
そう思って謝りを口にする。
「いやいや。そんな意味はないよ。しっかり結んでくれてるから、十分だよ。ただ……時が経つのは早いなぁと思ってね」
お客さんも今は誰も居なくて。
パンを焼き終わり、陳列していた私が作業が終わった所で話しかけてきた店長。
その言葉に「あー……」と口から漏れ、ハッとした所で、店長と目が合い笑ってしまった。
「麻衣ちゃん今日は暇かい?」
「残業ですか?」
即座に返した私に、店長は一瞬目を丸めたけど、次の瞬間声を上げて笑った。