青空の下月夜に舞う 4
「正直だね。大丈夫、残業じゃないよ。家の家内がね、ご飯でも食べに来ないかって言って……今日は来客予定があったんだけど、キャンセルになってね。麻衣ちゃんさえよければ、なんだけど」


って事は店長の家か。
行ってみたいけど……どうだろうな。



「遅くなることを兄に電話してもいいですか?」

「いいよ、いいよ。よかったらお兄さんも呼んでいいよ」


私が携帯を持っていない事を知ってる店長は、バイトが終わったら店の電話から、お兄さんに電話していいよとまで言われ。


ちょうど話が終わったタイミングでお客さんが入り、会話は途切れた。


“寄り道をするなら必ず連絡を入れろ。じゃなきゃ無邪気が総動員で麻衣を見つけるよ”


帰って来た日。

約束が増えた。
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