青空の下月夜に舞う 4
逃げるも何も、雄大は私が行動を起こす事すら予想していないだろう。

裸女で釣れば私が居るのはもちろん、雄大はきっと私が雄大を嫌いになれない事も分かってると思う。


「原嶋を嫌いじゃないって言う麻衣ちゃんには悪いけどさ……」



一度下を向いて、ひとつ。
間を置くと、顔を上げて申し訳なさそうに慶太郎は。




「原嶋は頭だから。潰さないといけない。話し合いだけじゃ、きっと終わらない」




どんな顔をすればいいのか。

何て声を出せばいいのか。


まるで一瞬時が止まったのかと。


錯覚してしまいそうになる。


言葉の意味はきっと想像を越えるものだと思う。


喧嘩……ーーしかも。

“頭”の言葉に、一対一ではないだろう事も。
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