青空の下月夜に舞う 4
そのままロッカーに行き、制服を脱ぎ捨てると、制服に着替えてパーカーを羽織る。


まだコートは要らないけど、バイト帰りはもう制服だけじゃ寒い。


再び休憩室に戻ると、受話器を取って雄大の番号を押した。



出るかな……知らない番号だし。


いつもより長いコール音。

一回帰ってかけ直そうかと思い、受話器を置こうとした時。


『はい』

「ぁ……私。麻衣」


雄大が電話に出た。

“はい”の一言で、いつもの雰囲気と違うと分かってしまう辺り、相当私は雄大を気にしてるんだな、と。

心に緊張が走った。


『これ。どこの番号?』


声色に、少しだけ怒りが見え隠れする。
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