青空の下月夜に舞う 4
後ろには隼人しか乗っていなくて、助手席も誰も座ってない。
「二人……?」
私の呟いた声に答えたのは隼人で。
「うん。今からとりあえず雅也さんとこ行くからね。多分まだ俺等って気付かれてないだろうけど、時間の問題だろうし」
拐われるって……本当に拉致……あっ!!
隼人の言葉を聞いて、ハッとする。
駄目だ。
瞬時に働いた頭は、
「止まって!!」
ミナに向かって叫ぶように声を出していた。
私の声に、驚きの表情を浮かべた隼人は私の横顔を見つめる。
「どどどうした?麻衣ちゃん」
いつも穏やかに話すミナも、私の迫力に驚いたのか、戸惑いの言葉を放った。
ダメなんだ。こんなのは。