まるでペットのような彼
「いいのよ。心配してくれてるのわかるし、気になる点だものね。
そこについては、心配ないのよ。学生のうちから企業していて、若いけどそれなりの生活ができるから、私が働いてなくても問題ないんだ。」

「えっ?社長ってことですか?」

「加藤さん。声が大きい。」
咄嗟に加藤さんを諌める。

「ごめんなさい。イケメンで若い社長だなんて、知られたらやっかみがひどくなりそうですね。ホストだってやっかみが酷いんですからね。じゃ、ホストってのは?」

「ホストってのは、バイトであり本業なの。」

「それってどういうことですか?」

「彼が起業したのって、出張ホストサービスなんだ。」

「えっ、ええ~っ?」

「だから、加藤さん声が大きいってば!」

「あ!またすみません。」

「以前、勉強のためもあってホストのお店で働いてて、自分のとこじゃ指導だけなんだけどね。」

「そうなんですね。なんだか世界が違います。」

「私も、そう思うわ。」

「噂もですが、そんな仕事で心配になりませんか?」

「心配しないって言ったら嘘になるけど、不思議と信じてられるのよね。」

「そうですね。ラブラブそうですもんね。その肌艶が証拠になりますよ。」

加藤さんにそう言われて、顔を赤らめてしまう。

「そんな表情に旦那さんもやられちゃったんだろうな~、一条さんてすぐ顔に出ちゃいますよね。」

なんて言われて参ってしまう。






< 100 / 137 >

この作品をシェア

pagetop