まるでペットのような彼
泣きながら、名刺をよこして『私に任せなさい』と言ったんだ。



なんとなく、この人に賭けてみようと思ってしまった。


いままで、女って寄ってくるばかりで、泊まりなんてしようものなら、迫ってくる輩ばかりだった。
親子ほど違っていても、媚びて色気を振りまいてくる。

シェアしてた相手の女だって、『一度きりでよいから…』などと迫ってくるしまつだ。
当然、一緒に住んでる相手の彼女とそんな関係を持つつもりなんかなく、すげなく断ってきた。

そうしたら、女がツレに対して俺から口説いてくると言いだす。
はじめは、そんなこと気に留めてなかったツレも、3人目ともなるとさすがに疑心暗鬼になってくる。

俺だって、なんにもしてないのにそんなこと言われ続けてたから、シェアを解消しようと思っていた。

ツレが悪いわけじゃないんだが、一緒にいて関係が悪化するのもどうにもと思っていた。


そんなときに出会って、いままでの女と違う感じがしたから、家に行ったんだ。

もし、この人がいままでの女と違っていたら…






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