まるでペットのような彼
「おはよう!郁美。」

会社の入り口で奈央子に声をかけられる。

「おはよう。」


同じ会社でも、部署が違うので、毎日顔を合わせたりしない。

「今日は、ランチ一緒にしよう。」

奈央子が言ってきた。

小さく頷いて了承した。









いつものように、仕事をしていると、同じ部署の5つ後輩の加藤さんが声をかけてきた。

「一条さん。最近きれいになりましたよね。もちろん、前から綺麗でしたけど…
なんだか、肌艶が違うっていうか…特別なお手入れとかあるんですか?」

加藤さんは、この部署の中でも、女子力が高くかわいい部類で社内でもモテるほうだ。

だけど、気さくな性格で誰からも好かれている。


仕事もそれなりにできるので、私もかわいがっている後輩の一人だ。



「ん?なにもしてないわよ」

「そうなんですか?でも、満足感が肌に出てるって感じがします。
もしかして、彼氏でもできたんですか?」

彼氏って言葉にドキッとしてしまう。
私と悠は、そんな関係じゃないっていうのに…


「残念ながら彼氏は、できてませんよ。」

「ええ~?おかしいな~
私のセンサーが男がいるって察知してるんだけどな~

ま、一条先輩が結婚退社なんかすることになったら、大変ですから、もしものときでも、電撃は、やめてくださいね。」


「考えとくわ。」

加藤さんのセンサーの鋭さにビックリする。
きっと悠と暮らしだしたから、違いが出てるのかもしれない。








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