まるでペットのような彼
かなり年上だけど…

家に行ったら、すっぴんでなんの洒落っ気もない素の状態の彼女がいた。


目の前の俺にビックリして固まっていた。

その隙をついて部屋の中に入ってしまった。


適度に片付いていて女性らしい部屋だった。


素の彼女は、店で見た彼女より若く見え、隙だらけに見えた。


実際、隙だらけだったんだけどな。



そんな彼女の情に付け込んで、家に置いてもらうことにした。

毎日迫られるようなら、出て行けばよいだけだと思いながら意地悪な提案をした。

『何もしないから、大型犬だと思ってもらって一緒に寝よう』と…

戸惑っていた彼女も承諾したから、いままでの女と同じパターンになるかな?なんて思っていた。


ところが、一緒に寝てみたらあっさりと寝てしまった。
迫ってくるどころか、背中を向いてる状態だった。

あまりの遣る瀬なさについ後ろから抱きしめてしまった。

一瞬、身を固くさせた彼女だが、俺がそれ以上しないとわかるとすやすやと寝息をたて始めた。

彼女の匂いを感じながら、俺も安眠に誘われた。







< 110 / 137 >

この作品をシェア

pagetop