まるでペットのような彼
女といて、こんなに安心して寝られたのもはじめてなら、迫られなかったのもはじめてだった。


居心地よさに、そのまま住み着いてしまったんだが…

一緒に寝るのが心地よくて、郁美が外泊したときに寝れなくて不機嫌になってしまった。


郁美と寝るようになって、他の女の媚びた香水の匂いが鼻につくようになって、相手をしなくなったのもあの行動の一因になってしまっているだろう。


要は、寝不足と性的欲求が高まって襲うように郁美を抱いてしまったんだ。

それなのに、すべてを包容するように受け入れてくれた郁美。


あまりの気持ちよさに、俺がハマッてしまったんだ。

あの時、自分の気持ちに気づいて告白もしていたんだが、郁美に聞こえてなかったなんて思いもしなかった。

正直、女にそんな衝動をする自分が信じられなかったが、反面ホントの気持ちに気づいた。
一緒にいるうちに、好きになってたんだ。

郁美は、出しゃばらず俺に気持ちを押し付けることもなく、いつも受け入れてくれていた。そんな郁美だから離したくないと思ったんだ。


その後も、拒むことなく俺を受け入れてくれた郁美に俺は、毎日印を残した。


俺のものだと主張したかったからだ。


いつもなんの要求もしてこないで、俺に応えてくれるだけ…

こんな女がいたのかと、俺の方が我慢できなくて、郁美にずいぶんと無理させてきたと思う。

なにより香水でない、郁美の匂いにその気になってしまうんだ。

こんなに女にハマることなんて思ってもみなかった。





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