まるでペットのような彼
「ねぇ、郁美。お願い。」


両手を合わせて懇願してくる。
お願いされても、できないものは、できない。

そうだな~明日は、土曜日だし…


「ごめん。奈央子。うち、都合悪いんだ。
家の内装工事が入るから、泊められないんだよね。
そのかわりってなんだけど、私も外泊するつもりだったから、都内のレディースプランなんて洒落てみない?
こんなときじゃないと行けないから、よいんじゃない?どう?」


咄嗟の嘘と代替案を出してみる。

レディースプランに惹かれたらしい奈央子は、この代替案にのってくれた。




よかった。



こうして奈央子と私は、土曜日を二人で都内ホテルのレディースプランで宿泊することにした。


急だったが、なんとか予約もとれた。









「ごめんね。付き合わせちゃって。」


「いいよ。気にしないで。私も外泊するつもりだったんだから…

せっかくだもん。今日は、二人で楽しもうよ。」


ホテルに着いてから、二人で夕食に向かう。


「うわぁ~ホテルディナーだ。美味しそうだよ。」

奈央子と二人で夕食を食べながら、ふと悠のことを考える。


出てくるとき、なんだかいつもと違ってだだよな…




まさか、このことがきっかけになるなんて思ってもみなかった。










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