まるでペットのような彼
横から伸びた手がまた胸を触ってきた。

「ひゃ…っ…」

「あ…郁美さん。起きた。」
悠の顔が首もとに沈められて、肩の辺りにチクリと痺れがはしった。
顔に触れるさらさらした黒髪がくすぐったい。

「ン…イヤ…ン…フウン…」

「郁美さんて、敏感」

耳元に届く甘い声にゾクリとして、さらに身体に熱が灯る。

「またしたい…」


すでに臨戦態勢であろう悠は、私を後ろから抱きしめると私の脚に自分の脚を割り入れ、手を忍ばせてきた。

クチャ…
と、音がする。

「郁美さん。いやらしい音がする。感じてるんだね。」
嬉しそうにそんなこと言われて余計に反応してしまう自分の身体が呪わしい。


横になったままの体勢で、後ろから悠が浸入してきた。

さっきも感じたけど、質量をしっかり感じ、圧迫されるのがわかる。


こんなに繋がるのが気持ちよいなんて、はじめてかもしれないと思ってしまう。

悠は、若いくせに性急でなくゆっくりと余すとこなく堪能するような動きで、一方的でなく私の反応を感じとっているのが、また心地よかった。






悠から解放されたときは、夜9時を回っていた。








私は、怠い身体を起こしてキッチンに立っていた。




「郁美さん。怠いでしょ?」
後ろから抱きつきながら、私を支えてくれてる悠が言う。


「誰のせいよ…」


夕飯の支度で手を動かしながら拗ねた口調で言ってみる。

「だって、郁美さんがイケないんだもん。」

まるでだだっ子のように悠が言う。





< 24 / 137 >

この作品をシェア

pagetop