まるでペットのような彼
一週間ほど前になる。


取り引き先のちょっとよいなと思ってた人が、オフィスビルのラウンジで立ち話しをしているのをしているのを聞いてしまった日だ。


『お前の会社の一条さんさ~』

『おお、一条がどうした?』

『俺に気があるみたいで、よく視線が合うんだよな。』

『え~っ?あの一条が?嘘だろ?』

『いや、勘違いじゃないと思う。』

『で?お前どう思ってるんだ?』

『どうもこうも、あんな色気も胸もない女、対象外だろ!しかも、俺より出世しそうだしな。女のが出世してるなんて、勘弁だよ。』

『だよな~。付き合うなら出世なんかしない、若くてかわいい女のがいいよな。』

『そうそう、それで胸が大きいなら尚よし。』


そんなこと言いながら、笑っていたんだ。

それに腹を立てた私は、同僚の奈央子と飲みに行ったんだっけ…




『出世する女を馬鹿にするな~』なんて叫んだような記憶もある。


男のことは、男で忘れるに限るなんて奈央子が言って、ホストクラブ一夜に行ったんだっけ…





それで、かなり酔ってて、記憶が曖昧なんだよな~



「ごめん。ちょっと記憶が曖昧で、君になんて言ったのかな?」











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