まるでペットのような彼
なんだか、しゃくにさわって拗ねた表情をしながら言ってしまう。


「私だって、言ってもらってなかったから、わからなかったよ。」

「え?」

「ちゃんと言葉にしてくれないから、身体だけなのかと…」

呆れたような顔をしている。
変なこと言っちゃった?
思ったこと言っただけなんだけど…


「俺、はじめて抱いたとき…言ったよね。」

今度は、私がビックリして表情にも出てしまう。

「えっ?…あの…」

「そっか~、聞こえてなかったんだ…」

悠がガッカリとした様子で、大きなため息を吐く。

「いつも、快く受け入れてくれてたから、伝わっていて応えてくれてるんだと思ってた。
それに…
郁美の身体が、私も好きよって毎回反応してくれてたしね。」

「……へっ?」
なに言ってるの?
それってどういうこと?

「だいたい郁美は、好きでない男相手に、そんなことできないでしょ?
わかるよ。
全身で応えてくれてるって…」

そう言いながら、悠が私の身体を触れるかどうかの微妙な加減で撫で回す。

「…ッフ…フウ……ウ…」


「ほら、もう欲してる。
俺も欲しいんだけどね…
好きでもない女をこんな毎日のように抱いたりしないよ。」


撫でる手がとまらない。

「ウン…は…る…」

「もう少しまって…」










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