まるでペットのような彼
玄関を閉めて、寝室に戻ってきた悠は、もういつもの悠に戻っていた。

「ごめん。聞こえちゃった?」

「あ…え…うん。」

なんだか曖昧な返事になってしまった。
所々はっきりしてないが、ほとんど丸聞こえだったのだから…

「マユ…悪いこじゃないんだけど…
思い込みが激しいって言うか…」

「付き合ってたの?」

「いや、付き合ってない。」
キッパリと言う悠。

「…そうなんだ。」

「俺、仕事柄特定の彼女とかつくらなかったから…
だけど、それなりに遊んでいたりもしたんだ。その中にマユもいたんだよ。」

悠が自分のことを話しだした…

「マユは、見た目もだけど一緒に遊んだ仲間の中でも目立つ存在で、よく俺にひっついてたんだ。適当に相手してたのが、悪かったんだな…きっと。後から思っても、仕方ないんだけどな…
けど、家に女を連れたことは、ないんだよ。前に住んでたのも、シェアしてたからそういうこと禁止してたしね。
ま、家に連れていかなくても困らないし…って、付き合いの連中ばかりだったんだけど…マユが家に行きたいって前から煩かったんだよな。
事情を言って断ってたんだけど…
前住んでた相手は、同じ学校の奴だったから、もしかしたら、マユの奴、家を出たのをどっかで聞いたのかもしれないな。」










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