まるでペットのような彼

過去のこと?

ベッドに縛り付けられてたような休日が過ぎ、月曜日。

私は、朝から奈央子に捕まっている。



「郁美~。わかってるわよね。」

「…」
私は、無言で頷く。
奈央子さん、顔が迫力ありすぎですよ。


こうして、ランチは、強制的に奈央子といつものレストランへ行くことが決まってしまった。

金曜日は、マユさんのことなんかあったからか、奈央子にしては、あっさり帰ったと思ったんだよな~


なんとなく気が重くて午前中を過ごしてしまう。

「一条さん。どうしたんですか?えらく色っぽいため息ついちゃって~
注目浴びてますよ。」

後輩女子の加藤さんがそう言ってきた。
いやいや、注目浴びてるのは、あなたでしょう。
なんて突っ込みは、心の中でだけにして…

「色っぽくないし、注目なんてされないわよ。」
思ったことを言ってみる。

「もう、一条さんたら自覚なさすぎ。」
スッゴいうれしそうに言う加藤さんに、不思議そうな視線を向けてしまう。

「また、彼氏にいっぱい愛されたんですね。今日は、珍しく際どいとこにマークまで見えますよ。」
なんて、胸元を指さされて咄嗟に押さえてしまう。

(あっ、いけない…こんな行動じゃ、してますよと言ってるようなもんじゃない。)
自分の行動に反省しつつ、加藤さんを見ると、ニヤリとされた。

「やっぱり、彼氏さんに付けられたんですね!うっすら見えたからもしかして…と、思ったんですけどね。
近寄って、上から覗かないとハッキリわからないから大丈夫ですよ。」

ニコニコしながら言われてしまう。

まだいくつか跡が残ってるんだよな…なんて、頭の中で思ってしまう。






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