まるでペットのような彼
一人寂しく食事してたとき、玄関がカチャっと開いた。

「おかえりなさい」
こうやって起きてるときに言うのは、久しぶりだ。

「あ…ただいま」

帰ってくるときには、すでにホストの格好をしていない悠。


「いま、夕飯?実になっちゃうんじゃない?」
ちょっとニヤリとして嫌味を言う。

「クリスマスの雰囲気を味わってるんだから、よいの。」

リビングに入って、料理を覗き込みながら言う。

「おっ、旨そう。」
付け合わせのポテトを摘んでパクりと食べる。

「美味い。」


「食べるなら、器に盛るけど?」

「いいよ。郁美からもらうから、あ~ん」

悠が口を開けてまってる。
そこへ、一口大にしたチキンを入れる。

パクリ モグモグ

「うん、美味い。スープもちょうだい。」

同じように、スープも掬って口に入れる。


「これも、美味しいじゃん。手作り?」


「うん。簡単なのを、つくったんだよ。」

「へ~食べたことあるの朝ご飯だけだから、今度夕飯もお願いしようかな。」


「…悠が休み前に、激しくしなければ、食べられるんじゃないかな?」
そう、夕飯につくる機会がないのは、悠が休み前になると離してくれないからだ。

「あ…それ無理…夕飯我慢するわ」

(…そうなるんですか……)

「スープ、もっとちょうだい」

こんなおねだりしてくる悠は、年相応より幼く感じてしまうくらいだ。

この後、肉食狼系大型犬にかわっちゃうんだけどね。









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