まるでペットのような彼

これからのこと?

悠は、年末年始も実家へ帰るとかなく、ずっとここで過ごすという。

私もあと少しだと思い、悠といたいため実家に帰らないつもりだった。


「帰らないの?」


「…うん」


「親御さん、淋しがるんじゃないの?」


「今回くらい、大丈夫だよ」


これが、私たちの年末年始に対する確認の会話だ。

だけど、悠は、仕事があるらしく。
まるっきりの休みは、普段と変わらなかった。


(はぁ~、これなら2日くらい帰ってもよかったのかな?)なんて思ったくらいだ。


そんなあまり代わり映えしない日常が続いて、季節はバレンタインを迎えようとしていた。





会社でいつものように奈央子とランチに行く。


「郁美。最近どう?」

「どうって?」

「付き合いに進展とかないの?」

「あるわけないじゃん」

「なんで?卒業でしょ?」

「そうだよ。22歳ってことよ。」

「卒業しても今のままのつもり?」

「違うと思う。」

「えっ?どういうこと?」

「家、出るんじゃないかな?考えてるみたいだし…」

「郁美のこと、遊びってつもりってこと?」

「そんなのわかんないよ。」

「聞いてみないの?」

「聞けない…」

「なんで?彼女でしょ?」

「だから、聞けないの。
だって、これから仕事とか本格的にするのに、アラサー女とのこれからのことなんてどう聞けるのよ?」

「年齢差か~」

「だから、聞けないの…」

「なんか、けっこう大きいかもね。」


「…」


なんとも沈んでしまう会話になってしまった。




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