まるでペットのような彼
はぁ~これからのことなんて、言いだせないよ。

アラサー女から言ったら、結婚を迫ってるようにしか感じないよね。

悠は、まだ21歳なんだ。


その気になれば、結婚できる歳だっていっても、まだ親への挨拶もしてないし、そんな気があるのかさえ、確認できない。


私が、学生のときのことを思ってみても、そんなこと考えられなかったもんな~

悠だって、そんなこと考えてないんじゃないかと思う。


年上彼女としてできるのは、見守ることとなるべく負担にならないようにすることかな?


前の彼氏のときは、漠然と付き合いが長くなったから、もしかしたら結婚もかな?なんて思ったんだけど…
実際は、二年付き合って浮気されて(?)振られたんだから…


こればっかりは、わからないよね。


悠のこれからを思い、深いため息をつい吐いてしまう。


「一条さん、どうしたんですか?」

加藤さんが目ざとく話しかけてきた。

「ん~なんでもないわ。」

「なんでもなくて、そんなため息つきませんよ。肌艶よいから、彼氏と喧嘩ってわけじゃなさそうですし…」

まったく、加藤さんの観察力には、驚いてしまう。

「……」


「あら?彼氏のことなんですね?」

「……」
なんでわかるんだ?

「一条さんて、わかりやすいですよね。彼氏のことなら素直になったほうがいいんじゃないですか?
よく知りもしない私が言ってもと、思いますが…
あんまり、自分を抑えるのは、よくないと思うんですよ。私もこの年齢になって感じるようになったんですけどね。
年齢が上がったら、逆に素直になったほうがよいんじゃないかって思うようになったんです。
私のお節介なんで、聞き流してください。」

そう言って加藤さんは、席に戻っていった。









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