まるでペットのような彼
2月に入り、仕事も年度末の手配の佳境に入った。


「一条さん、お疲れ?お悩み?ですか?」

加藤さんから、声をかけられる。


「う~ん。仕事も、もう少しだからね。あ、バレンタインの用意ってしてる?」

「それなら、新人女子に指示してあるから、大丈夫ですよ。」

「加藤さん。ありがとう。」
加藤さんは、情報通だけでなく、なかなかに頼りにもなるのだ。

「代々のことですから、当然です。一条さん、何でも抱えこんでたら、回りきらないですよ。部下に振ってください。」

「ありがとう。助かるわ。」

加藤さんは、主任クラスの仕事をこなす。
本人が昇進希望をしてないから、試験も受けないどいるが…

女性役職を増やすために、教育も任されていたりするんだが、女性の社員数が男性より少ないのと、年齢も若年層に偏っているのが、女性役職をなかなか増やせない原因になっている。

育児休暇制度もできているが、まだ利用する人もほとんどいない状態だ。


男性の育児休暇利用なんてないんじゃないかと思う。

制度だけできていても、利用できる環境でなければ、退職を選ぶ女性社員が多いため、役職になんてなかなかなろうって思わない。


私より、年上の女性社員も数人いるけど、主任止まりだしな~


係長より上になりたい場合は、昇任試験を受けて合格しないといけない。


これを受ける女性が極端に少ないのだ。

主任すら、ある一定年数の勤務者で条件を満たした人に打診されるんだが、その一定年数にまで勤めてる女性が少なかったりするから、女性役職が少ないのも当然となってしまう。












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