まるでペットのような彼
テレビを見たりしながら待っていたんだけど、いつの間にか、リビングのテーブルにうたた寝をしていたようだ。





カチャ


玄関が開いたのも、気がつかなかった。


「郁美、風邪ひいちゃうよ。」

悠の声が聞こえる。
私の身体を優しく揺すって起こそうとしている。

「う、うん…」

なんとか、意識を覚醒させる。

「おかえり。」

「ただいま。今日は、こんなとこで寝ちゃうなんてどうしたの?」

「うん。悠の誕生日だからと思って、起きてようと思ったんだけど…
寝ちゃってたのね。」

「そうだったんだ。
ありがとう。」

「お誕生日おめでとう。日付かわっちゃったかな?」

「そうだね」

「それで、プレゼントもって思ったんだけど、なにがよいかわからなくて…
なにか欲しいのある?」

「……」

「あ、私があげられるならなんでもよいよ。」

「なんでも?」

「私にあげられることができるならね。」

「郁美からしか貰えないものがほしい。」

「私からしか?」

「そう。」

そう言って、私をベッドへと抱き抱えていき、上にのしかかられた。

「えっ?ちょ…ちょっと、まって…」

「まてない。」

「え~っ!だって…プレゼント…」

「わかってるよ。だから…」

え~っ?だからって…




そのまま悠に翻弄されていらう。












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