まるでペットのような彼
一息ついたのか、今日は、私が寝ちゃうことなく、まったりとしている。

「…欲しい…プレゼント…聞いたのに…」

「うん。わかってる。
先に謝っとくね。ごめん。」

「???」

私には、悠がなんで謝っているのかが、わからない。

「プレゼントなんだけど…」

「…うん」

「郁美、と…子ども…」

「ふぇっ?」

私と…子ども?どういうこと?

「ここ何回か、避妊してないんだ。」

「…えっ?」

言ってることに思考がついていけない。

「郁美に黙っててわるかったけど…」

「···」

「俺、年下すぎるし、郁美の親御さんに挨拶に行っても、反対されるんじゃないかと思って…
授かり婚を狙ってみたんだ。」

「さ…授かり…」

「そう。」

「えっ?って…」

「これでも、プロポーズなんだけど…」

「えっ?えっ?えっ?えぇ~っ?」

「ま、出来ちゃったからって卑怯な手を使おうとして、ごめん。まだ学生だし、郁美からもよい返事もらえる自信ないからさ。」

「そ…それは…
だからって、子ども…」

「そうなんだけど…」

「いま、出来ちゃったら、生活できないでしょ?」
やっと理解がついてきて、現実問題を言ってみた。

「それなら、問題ないよ。」

「…へ?」
何回目かになる変な返事をしてしまう。

「俺、すでに起業していて、なんとか軌道にのってきたから、郁美と子どもくらいなら生活できるよ。」

「…き…起業?」

「そう。バイトは、そのためにやってたんだ。」






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