まるでペットのような彼
なんだか、気恥ずかしくなって、お酒以外で顔が赤くなってしまう。

そうしたら、
「そんな反応しないでください。帰ってから大変になりますよ。」
なんて、悠に言われるもんだから、ギョッとして悠を見てたら、ウインクされてまた顔を赤らめてしまう。

隣では、奈央子が
「あらあら、ごちそうさま」
なんて言ってくる。


悠は、ホストのときには、お客様に必要以上の接触をしないようにしているようだ。
それは、私にもなんだけど…
テーブルの下などの死角と言われる場所で触れてくる。

さすがにお店で私とのことを話題にすることは、できないので、私たちの会社の話しなんかになる。


「そうそう、奈央子。笹谷くんが、たまには、同期会でもしないかって言ってたよ。」

「笹谷か~、いまだとショック受けるだろうな~」

「なんで?」
奈央子の言ってる意味がわからなくて質問してみる。

「やっぱり、気づいてなかったか~」

奈央子に盛大なため息を吐かれる。

「なに?なによ?」

「笹谷は、郁美に好意を持っているのよ。それも入社からずっと…」

「えっ?」

私が驚いていたら、悠が身を乗り出してきた。

「そういう話しなら詳しく知りたいです。」

「あら、彼氏でなく旦那だったわね。気になる?」

「もちろん、気になります。」

「郁美ったら、愛されてるわね~」
そう言って、奈央子が豪快に笑ってる。

笹谷くんが?
ウソでしょ~







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