まるでペットのような彼
なにやら二人で話しが盛り上がりはじめた。

「郁美ったら、会社で彼氏をつくるつもりがなかったから、全然意識してなかったんでしょう?
入社当時は、彼氏がいたんだもんね。」

「えっ?だけど奈央子のがモテてたじゃない?」

「入社したばかりのときは、ね。この性格だから同期には、相手にされてなかったわよ。同期には、すぐ性格がわかられてたし、隠す気もなかったからね。」

そんな奈央子の話しをクスリと笑いながら悠が聞いていたら、ご指名のお呼びがかかった。

「すみません。席を外しますが、話しが気になりますので、後ででも聞かせてくださいね。」

「あはは~またね。」


そう奈央子が言って、悠が席を外していった。


「えっ?奈央子~」

「郁美ったら、社内に興味なさすぎなんだよ。だいたい、思い当たることないの?」

思い当たること?
そういえば、クリスマスのときに…

でも、あれって同期だからだとしか思ってなかった。

いままでも、同期としてとても仲良くしていた。

「だって、笹谷くんて彼女いたときもあったよね。」

「そりゃ、笹谷ってあれでも、けっこう告白されたりしてるからね。それなりに出世してるし、女性社員から狙われてるのよ。ルックスだって並み以上だし、同期の中じゃ、モテる方なんじゃない?
あの中森も狙ってたらしいよ。」








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