まるでペットのような彼

それから?

3月に入り、悠も無事に大学を卒業して、ホストのバイトも辞めた。


私たちの住まいも1LDKから、3LDKへと引っ越した。




「ねぇ、ここって広すぎない?」

「すぐに子どもだってできるだろうから、ちっとも広くないよ。」

「でも、家賃だって…」

「郁美は、そんな心配しなくて大丈夫だよ。」


悠は、そんなこと言ってるけど、広くなった分、以前の倍の家賃になっている。

私一人ならちょっと住めないくらいだ。

いくら悠が事業をしてるといえ、心配になってしまう。

狭くたって、一緒にいられるならよいと思うんだけど…


この家は、悠が年末から探していたらしくて、悠の事務所からかなり近い。


そう考えると悠って、そんな前から私とのことを考えてくれていたのかと、うれしくなってしまう。


新居に越して、隣近所にご挨拶を済ませて、二人でまったりしているとこだ。



「これからどうする?」

私が悠にそう聞くと
「…久しぶりに二人の休日なのに、それを聞く?」

「…へ?」

私が疑問系の返答をしていると、ソファで悠の上に座らされた。

「引っ越しで週末ゆっくりできなかったんだから、すること決まってるでしょ?」

目の前にある整った顔が近寄って唇を重ねる。

「…ウ…ウン…」

深くされて、息があがってしまう。

「久しぶりのこの反応、よいな。」

そう言って、服を脱がしにかかる。

「えっ?ちょ…ま…」

「まてない」

相変わらずだ。








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