まるでペットのような彼
待ってを聞いてくれない悠と、いつもの週末のように過ごす。


私が待ったをかけても、悠が待ってくれることなく、所構わず翻弄されてしまう。

それが、リビングは、まだしもキッチンやバスルーム、玄関でもされることがあるから、参ってしまう。

毎回『郁美が、かわいくその気にさせるからだよ。』なんて言われるんだけど、なにがその気にさせてるのか、私には、ちっともわからないからいつもいきなりスイッチが入った感じになってしまう。


そんな甘甘な生活を送っていた。

悠の印も相変わらずで、見えそうなところに付けようとするから、気が抜けない。

プロポーズされてから、毎日の日課のように印をつけられる。
営みがないときも、身体から悠の印がなくなることは、ない。


悠がけっこうな嫉妬焼きだってことがわかった。



あるとき、私が生理だからと断ったとき、上半身だけ裸にされて胸元に印を残された。
それから、生理だと言っても最後までしないだけで、印を毎回つけてくる。


プロポーズされて入籍してからも、それは変わらない。



私も悠の印なんだと思うと、胸が熱くなったりしてうれしいからよいんだけど…

たまに、悠から付けて欲しいと言われるのが困る。
そんなことしたことなかったし…、でもお願いされると叶えてあげたくて、うれし恥ずかしい気持ちでつけている。








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