まるでペットのような彼
「笑ってる場合じゃないですよ。噂は、それだけじゃないんですから~」

「他にもあるの?」

「他ってより、尾びれがついてるんじゃないかと思ってます。
ホストってことで、当たり前に枕営業をしていると思われてます。それも現在進行形で。他に付き合ってる女がいっぱいいるのに、都合がよいから一緒になったんじゃないかとか、貯蓄を狙われた貢ぐだけの利用や、実は妄想なんじゃないかとか…」

妄想とまで思われるなんて絶句してしまった。

「とにかく、ホストって噂がでてからみんなが半信半疑なんですよ。」

「それってなんで?」

「年下だってことは、知られてるようなので、ホストなんかしてるイケメンが一条さんのような年上を相手にするわけないだろう、みたいに思ってる訳です。当然、やっかみも入っていて事実でも、受け入れたくないんだと思いますよ。」

「そうか~、だけどさっき言ってくれた噂って、ホストへの偏見がほとんどよね。実際のホストって枕営業する人いないみたいよ。」

「それは、私も思ってます。枕営業なんかしてたら、もたないと思いますよ。ましてや、一条さんが選んだ旦那さんですから、そんなことすると思えませんね。」

加藤さんにこんなふうに言ってもらえて感激してしまった。

「だいたい、枕営業するような人が、こんな毎日印をつけないと思います。」

力強く言われて、肩口を指指された。










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