まるでペットのような彼

バッと肩口を押さえてしまう。
(あっ！またやっちゃった。)

｢最近は、以前より見えそうなとこにつけられてるみたいですよね。
詳しく聞いたことないですけど、旦那さんてどんな人なんですか？｣

｢まぁ～年下なのは、知ってるわよね。｣

｢はい。｣

｢一言にするなら、『肉食狼系大型犬』かな？｣

｢…かなりレアですね。肉食系な迫りなのに甘えたりするってことですか？｣

｢ん、そんな感じかな！｣

｢しかも嫉妬焼きですね。｣

｢そこは、否定しない。｣

｢年下だから、甘やかしちゃうんですか？｣

｢そういうつもりないんだけど…あるかも…｣

｢年下って、かなり離れてそうですね。｣

｢…わかる？｣

｢話しの感じで思っただけです。じゃ、突っ込んだ話し子どもなんかは、先ですか？｣

｢それが…すぐ欲しいって言われてるの…｣

｢それも、意外です。言われてるってことは、旦那さんが欲しがってるってことですよね。｣

｢まぁ、そうなるかな？｣

｢かなり若そうなのに、なんでですか？｣

｢…私のためって…｣

｢…どういうことですか？｣

｢子どもを産むのに、私の身体への負担が軽くなるように早く欲しいと言われたのよ。｣

｢……｣

今度は、加藤さんが絶句している。

｢私も結婚したからには、子どもも欲しいし、そんな言われ方したらすぐって言われても反対できないのよ。たしかに、高齢になると大変だって聞くし、すでに適齢を過ぎてるからね。｣

｢一条さん。愛されてますね。なかなかそんな風に思えないと思いますよ。でももし、一条さんが仕事を辞めるようなことになったら、大丈夫なんですか？こんなこと聞くの失礼かもなんですけど…｣